2003.11.01

今日、フェアリンクの 伊丹 → 大分 でボンバルディアのCRJに初めて乗った。

皮張りのシートが嬉しかったが、前評判通り、シート幅は狭かった。
身長190cmほどのお客さんが私の前を歩いていたが、
頭が天井に届いてしまい腰を折り曲げて歩いていた。
さらに、通路を挟む左右のオーバーヘッドコンパートメントに両肩が接するほど通路が狭いのには驚いた。

CRJは背の低い飛行機で、座席から地面までの距離が近い。
離陸滑走を始めると、コンクリートがものすごい勢いで通り過ぎていく。
私達が乗るA320やジャンボと、それほど離陸速度が違うとは思えないが、
地面までの距離が遠いとそれほど速くは感じない。
CRJは恐ろしくなるほどの速度感があった。
考えてみれば時速200kmほどの速度が出ているわけで、速く感じないほうがおかしいだろう。

とっても速い乗り物に乗っているような体感ができて、個人的にはCRJを気に入ったが、
聞いた話では仲間の間ではあまり人気がないようだ。

大分空港は以前行ったときとディスパッチの場所が変わっていた。
CRJには今日、一緒に乗務するCAさん達も乗っていたが、
誰もディスパッチまでの行き方が分からず地上係員に連れて行ってもらった。

大分 → 伊丹 にVIPが2名搭乗予定だった。
誰かなぁ〜?
へっ?
小沢一郎?
それに田中さん?
小沢一郎って、よく聞く名前だけど、まさかね・・・・・・、
えっ!? あの小沢さん? 政治家の?
田中さんのほうは、康夫さんって、長野県知事さんですか?
なんで彼らが一緒に乗ってくるんだろう?
総選挙がらみかなぁ〜?

キャプテン曰く、「どっちかは別府温泉に来たのかもよ♪
そうかも・・・・。



2003.11.02

朝、サンデーモーニングを見ていると、
福岡で小沢一郎さんと田中康夫さんが一緒に古賀さんを支持している光景を目撃。
そうか、やっぱり昨日は政治活動で九州に来ていたのね♪
プライベートで別府温泉なんてわけないかぁ〜。
あと1週間ほどで選挙。
全国各地を飛びまわってみなさん大変でしょうけれど、頑張ってくださいネ♪

みなさなん、必ず選挙に行きましょう!



2003.11.06

那覇空港への久々のアプローチは、私の担当だった。
ILS 36が行われていた。

着陸まであと7分、Clear for Approach(進入の許可)を管制官にもらったとき、
インターフォンで客室乗務員(CA)に呼ばれた。
前方、1列目の窓側のお客さんが冷や汗をかいて顔面蒼白だ、というのだ。
困った・・・・・。
お客さんの様子を見るために離席しても良いか?と聞かれた。
「いいですけれど、もう間もなく着陸なのでできるだけ早く戻って座ってくださいね。」

再びしばらくしてインターフォンでCAさんに呼ばれた。
先ほどのお客さん、トイレに入ってしまいました。」(CA)

マジっすかぁ〜?
着陸まであと5分じゃん?
困ったなあ・・・・・。
「小」ならいいけど「大」だったらどうしよう?
ゴーアラウンドじゃん?
お願いだぁ〜、早く出てくれぇ〜。
オレっちもおしっこしたいから、これで着陸したいんだよなぁ〜。

着陸まであと3分。
もう滑走路はすぐそこだ。
キャプテンに頼んでインターフォンでCAを呼んで聞いてもらった。
もう出られました?」(キャプテン)
それがまだ出てこられないんです。」(CA)
まだだったらゴーアラウンドするから。」(キャプテン)

そうだよな。
やっぱゴーアラウンドするっきゃないよな。
弱ったなぁ〜・・・・・。

着陸まであと2分。
コックピット後部のドアがバタンッと閉まる音がした。
あっ! 出たな。
すぐにインターフォンでCAさんから連絡が入った。
今、出られました。 全員着席してます。」(CA)

お客さん全員が降機し終わってコックピットを出ると、CAさん達、苦笑い。
みんなお客さんが出てくるのを、今か今かとドキドキしながら待っていたのだった。
私だってそうだ。
スラスト・レバー(車のアクセルのようなもの)を握りながら、
いつゴーアラウンドしようか(レバーを最前方まで動かす)、ハラハラしながら待っていた。

CAさんとの会話を早めに切り上げ、私もコックピットのすぐ後ろにあるトイレに駆け込んだのだった。



2003.11.08

名古屋で客室乗務員(CA)さん達が入れ替わった。
彼女達の勤務を聞いてビックリ。

便乗で女満別から名古屋に移動後、
名古屋 → 新潟 → 千歳 → 新潟 → 福岡 だ!
9:45に勤務が始まって、終わるのが21:00なんて・・・・。
あまりにも可哀想過ぎる。
気の毒だ。

私達は新潟で勤務を終えたが、先に帰るのが申し訳なくなってしまう。

お疲れ様です。
最後まで頑張ってくださいネ♪



2003.11.10

朝、ジョギングへ行った。
帰り道、隣のおじさん、H氏に会った。
珍しくH氏は一人で散歩している。

「おはようございます♪」
あぁ、どうも。 大きくなりましたなぁ。」(H氏)

と、H氏は自身の胸に手をやり、乳を覆う仕草をした。

私が裏庭でウエイトトレーニングしているところを、お隣のH氏はよく目撃している。
きっと大胸筋のことを言っているのだろう。
それにしても朝の男同士の挨拶としては、不気味だ・・・・・。

家の近くまで来て走るのをやめて歩きだした。

んっ?

通りから横に入った細い路地に「愛ちゃん」を発見。
愛ちゃんはH氏の愛犬だ。
そっかぁ〜、H氏との散歩の途中ではぐれちゃったのね♪

H氏が朝から愛ちゃんとお散歩している姿をよく見かける。
だから、今朝に限って一人で散歩しているのが不思議に思えたのだ。

振り返ると、愛ちゃんを置き去りにしたことに気がついたH氏が、こちらに向かって歩いてきた。
愛ちゃんは年をとりっているせいか、とってもおとなしい犬なのだが、
歩き方がメチャメチャかわいらしい。
馬の早足のように、ピョコピョコ弾みながら軽やかに歩く、
愛ちゃんは私に警戒しなかったので、愛ちゃんに近づき頭をヨチヨチし、
赤いお散歩ヒモを持ってH氏の方へ歩いて行った。

イヤァ〜、、いつもあんまりにもおとなしいんで、
 置いてきぼりにしたのに気がつきませんでしたわ。
」(H氏)

愛犬のお散歩に行って、愛犬を置いてけぼりにしないで下さいネ♪



2003.11.16

大阪 → 仙台 は便乗での移動だった。
これが、たまたまあの有名なY機長の乗務するB767だった。
名物アナウンスを聞くこととができたのはラッキーだった。
仙台に到着して、自分が乗務する千歳行きのA320へ乗り組んだ。
客室乗務員(CA)にYキャプテンの話をした。
(山形の名は告げず、変わったアナウンスの話をした。)
すると、1名が言った。

あ゛ぁ゛〜、それって山形キャプテンじゃないですかぁ?
 私、Yキャプテン知ってますよぉ。
 幼稚園の頃からの幼馴染みの子のお父さんですよ。
 彼女の話では、とっても変わったお父さんなんですって。
 『カップラーメンはできるのに3分』 うんたらかんたらってアナウンス、入れちゃうらしいですね♪
」(CA)

ビジネス客ばからりの早朝便や深夜便でも入れるのかなぁ〜?
う〜ん、なんて度胸のある人なんだっ!

千歳 → 羽田 の最終便を初めて飛んだ。
しかも、これが最初で最後だ。
来月からこの便はB6になるらしい。
ドル箱路線を飛べるのも、これっきりなのね・・・・・。
でも、お客さん、半分も乗ってないか・・・・・。

羽田の着陸予定時刻が23:00を過ぎると、
騒音軽減のために着陸まで時間のかかるアプローチとなる。
私達もその遠回りのアプローチをさせられるものとばかり思っていたが、
千歳でUPS(アメリカの貨物機)を追い越し、先に離陸したせいか、
コンピューターが計算した到着予定時刻は22:58。
お゛ぉ゛ーーーーーっ!!
ラッキ〜♪
通常のILSアプローチをもらうことができた。

上空で私達の後方を飛んでいた、Air DO の 札幌 → 羽田(B6)は、A320より巡航速度が速い。
私達に追いついたが管制官に減速するように指示されていた。
ゴメンナサ〜イ。
そのせいで、彼らは遠回りするアプローチをするように指示された。
チラッとキャプテンを見ると、ニタァ〜っと笑っている。
UPSより先に離陸できて良かったね♪」(キャプテン)

するとすかさず Air DO が管制官に言った。
「私達は23:00前に着陸できますので、ILSさせてもらえませんか?」(Air DO)
え゛ぇ゛〜、ウソでしょ?
うちが最も速くて22:58に着陸できる計算で、先行機がいれば確実に数分、着陸が遅れる。
Air DO が23:00以前に着陸するのは、絶対不可能のはずだけどなぁ〜。
そんな私の気持ちを読むかのようにキャプテンが言った。
23:00前に着陸はできわけないでしょ?」(キャプテン)

Air DO の無線が終わって、数秒間の沈黙があり、その後、管制官が答えた。
あなたの前に1機、入れますので、ILSは許可できません。」(管制官)
つまり、私達と Air DO の間に1機入る、ということだ。

キャプテンを見ると、再び、ニタァ〜、と笑っている。

もし、UPSより後に離陸していたら、きっと Air DO に追いつかれたのは羽田寄りではなく千歳寄りで、
管制官は私達に減速を指示し、Air DO に抜かさせていたことだろう。

いやぁ〜、良かった、良かった♪



2003.11.18

高知 → 名古屋 にJ-AirのCRJで移動後、名古屋−福岡 を往復 する勤務だった。
高知空港へ到着して、15:00発の便にチェクインして、荷物を預けてターミナル内を歩いていると、
どこかの便が欠航になっている旨のアナウンスが流れた。

「キャプテン、先日、僕、この名古屋行きがキャンセルになってしまったんですよ。
 もしかして、今日もキャンセルだったりして。」
そんなわけないだろ? だって、さっきチェックインできたじゃない?
 欠航だったらできないでしょ?
」(キャプテン)
「そうですね。 でも、念のため、確認します。」

ターミナル内の電光掲示板を見ると・・・・・・
はへ?
キャンセルじゃん、名古屋行き。
でも、さっきチェックイン機でチェックインしたぞ?
荷物を預けるときも、カウンターで何も言われなかったぞ?

慌ててチェックインしたチケットを取りだし、出発時刻を確認すると・・・・、
ゲェェェ〜〜〜??!!
19:40発になってんじゃん?!?!
勝手に換えるなよなぁ〜?

自動チェックイン機でチェックインしていて、
便が代わるときって、「変更しますか?」っていうメッセージ出るじゃん?
確か全日空はそうだったような気がするけど。
それに、荷物を預けるときにカウンターで一声かけるよな。
ご迷惑をおかけします、とか、何とか言いそうなもんだけど・・・・。

それにしても、過去にJ-AirのCRJに乗るパターンが3回あって、
そのうち2回が欠航になったって、ものすごい確率じゃん?
J-AirのCRJが壊れやすいのか? それとも・・・・。
そういえば、4回続くスタンバイ勤務で、3回稼動したことが最近あったなぁ〜。
やっぱ、私に問題があるのだろうか?

結局、福岡のスタンバイの乗員が、福岡→名古屋 を便乗で移動し、
私達が乗務するはずだった 名古屋 → 福岡 を飛ばし、
私達は 高知 → 福岡 を便乗で移動後、
福岡のスタンバイ・クルーが運んで来てくれた飛行機で
降り返し 福岡 → 名古屋 を飛ぶことになった。

福岡 → 名古屋 の便乗便にちょうど良い時刻発のものがなかったため、
名古屋 → 福岡 は約30分遅れで到着。
福岡 → 名古屋 も約30分遅れになってしまった。
もし、この遅れで乗客からクレームが上がったら、アナウンスで何と言ったら良いのだろうか?

「当便はJ-Airが欠航したために、遅れました。」 なんて言えないよなぁ〜。



2003.11.20  赤ちゃんからコンセントを守る

パソコンで作業をしていると、いきなり バシャッ と電源が落ちて画面が真っ暗になった。

おーい、何すんだよぉ〜ん (┬┬_┬┬)

シンちゃんがパソコンのコンセントを引っこ抜いて遊んでいるではないかっ!
当然データは全てパーだ。
もっとこまめに保存しないとなぁ〜。

そんなわけで、コンセントを引っ張っても抜けないようにすることにした。
我が家は借家なので、壁に穴を開けるわけにはいかない。

使用するのは100円ショップで売っているドライバーセットと、梱包用のヒモ。
梱包用のヒモがない場合は、スーパーやデパートのレジで買い物をした後に
自転車にくくりつけるために欲しい、と言えば、必ずくれるので買わないこと。
このヒモは厚みが薄いので今回使用することにした。



 これが抜かれたコンセント    マイナスドライバーを差し込み、こじあけれてはずす


 上下のネジをプラスドライバーではずす


 ヒモをちょうど良い場所にセットして、カバーを元に戻す



                  ヒモを結べば完成♪





2003.11.22

今日、一緒のキャプテン、ゴルフがお好き。
そこでゴルフ・クラブの話になった。

ブリジストンのゴルフクラブが半分、当たったんだよね。」(キャプテン)
半分って、どういうことですか?

新しいゴルフクラブが発売されて、それのモニター募集があったのだが、
応募したら当たった、言うのだ。

へぇ〜、ラッキーだったんですね♪
へっ?! 全国で10名の募集だったんですか?
良かったじゃないですかっ!
そのゴルフクラブ、一式買うと29万円?!?!?!?!
ゴルフクラブってそんなに高価なんですか?
ドッヒャ〜ッ?!?!
もうそれで一生分の運を使い切っちゃったんじゃないですか?
へっ?!
1年前には明太子買って、全国で1名のマッキントッシュが当たったんですかぁ?!?!
それって、メッチャ、ラッキーですねぇ〜。

でもさぁ、宝くじには当たらないんだよね。」(キャプテン)

もう、そんなに欲張らないでくださいネ♪

千歳空港に到着した頃、丁度雪が降り出した。
今年一番の雪だ。
何故か嬉しい。
でも、飛行機の運航には雪は天敵だ。
できることなら休みの日に降って欲しいものだ。



2003.11.23

久しぶりに広島空港へ行った。
着陸後、ターミナルに向かって地上滑走をしている途中、異変に気づいた。

んっ?
空港がカラスに占拠された?
イヤ、そんなわけないか。
よ〜く見ると・・・・・・・。
それはデッキに溢れかえった見物人の頭だった。

今まで沢山の空港に行ったが、
これほどの人だかりがフェンスを覆い尽くすほど集まっている光景は見たことがない。
まるで電線にカラスの大群がとまっているかのように密集している。
見送りにしては多すぎる。
連休中とはいえ、やっぱり多すぎる。
ものすごい有名人が来てるのかなぁ〜。

そんな疑問を残しつつ、再び広島を後にした。



2003.11.24

夜、仙台から名古屋へ向かった。
キャプテンが操縦していたので、無線は私の担当だった。
管制官と交信をする周波数が代わり、しばらく無線交信をしなくていいはず、と判断し、
弁当(夕食)を大急ぎでかき込むことにした。
めい一杯頬張った瞬間、管制官から呼ばれた。
何だよっ! 何で呼ぶの?

「○×△□※」(お願いします)← 操縦を担当しているキャプテンに無線もお願いする。

口一杯だったが、キャプテンはすぐに理解ができたようで、すかさずマイクを押そうとした、
その瞬間!
キャプテンのヘッドセットが吹っ飛んだ!(ヘッドセット=マイクとヘッドフォンがくっついている)
慌てていたせいで、ヘッドセットから伸びるコードに手がからまったっようだった。

私も大慌て。
管制官を待たせてはいけない。
一杯の口の中に何とか隙間を作って無線に応答した。
どんなに普通に話そうとしても、モゴモゴしゃべれば相手にはこちらの状況が声でわかる。

私が無線で答えた直後に、他機が管制官を呼び出した。
さっきと同じ女性の管制官が再びマイクを取り、スイッチを押して話す直前、
彼女は明らかに笑っていた。

くっそぉ〜っ! 笑ったなぁ〜♪

「キャプテン、今、絶対、彼女、笑ってましたよね?」
うん、笑ってた。 絶対、笑ってた。」(キャプテン)

バレないようにちゃんとしゃべったつもりだったのに、全てお見通しだったのね。
もう、いくらでも笑ってやってください。
でも、笑い終わってからマイクのスイッチを押してくださいネ♪

そういえば、私の同期はマイクのスイッチを押してから大笑いしてしまったことがある、
って言ってたっけ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

明日って、給料日かぁ。 でも、オレ関係ないんだよなぁ・・・・。」(キャプテン)
「えっ? どうしてですか?」
だってさ、単身で赴任してきたときの援助費もらっているの女房は知ってるから、
 小遣い、きっとくれないんだよね。
」(キャプテン)

ここ10年ほど小遣い上げ交渉してるんだけど、ずーっと同じなんだな。
 あっ、パチンコ代、出してくれるようになったかなぁ。
 でもなぁ、『お金出してあげてるんだから』 って、
 勝つと儲けた分の半分、もってかれるんだよね。
」(キャプテン)
「だったら、勝ったって言わなきゃいいじゃないですか?」
だって、隣で一緒にやってんだもん。」(キャプテン)
「マジっすかぁ?! 奥さんが勝ったら儲けの半分くれるんですか?」
そんなの、くれるわけないじゃん。」(キャプテン)

「奥さんが遠くの台に行ったときとか、トイレに立ったときとかに、
 こそっと玉を換金しちゃえばバレないんじゃないですか?」
『何か冷たいものでも飲む〜?』 とか行って、
 ちょくちょく見に来ては監視されてるから無理だわなぁ。
」(キャプテン)

この前なんかさ、狙ってた台におじさんが座ってて、どいたらあそこでやろう、って待ってたのに、
 気がついたら女房が座っててさ、それから大当たり。
 24箱積み上がって、なかなか終わんないじゃん。
 ボーッとしてても仕方ないんで打ち続けてたら、こっちは大負け。
 もちろん損失補填はないしね。
」(キャプテン)

以前、数日勝ち続けて、机の引出しに儲けをそのまま入れておいたら30万円も貯まってね。
 で、女房とオレで5万円ずつ打ちにいったのさ。
 そうしたら二人とも負けちゃって。 あれはもったいなかったなぁ〜。
」(キャプテン)

ゴルフクラブやマッキントッシュに当たるキャプテンではあるが、
本当にラッキーな人なのか?
もしかすると可哀想な人だったりして・・・・・・。



2003.11.26

今日は粗大ゴミの日だ♪
いつもなら拾いまくって喜ぶ日だが、今日は違った。

プジョーのロードレーサー(競輪のツールドフランスに使われるような自転車)を1年以上前に山中で拾った。
学生時代には買うことができなかった高価な自転車で、欲しかったので車に積んで持って帰って来た。
サビてはいたが、全く支障なく乗れる。
いつか磨いて乗ってやろう。
そう思っていたが、車輪とタイヤの細い自転車は車道と歩道を行ったり来たりするような激しい乗り方には向かない。
それで、最近はマウンテンバイクにばかり乗っている。
長距離の移動にロード-レーサーを使うことも可能だが、そんなときはバイクに乗ってしまう。
はっきりいって必要ない。

自転車好きのイギリス人の友人にあげようかと思ったが、身長が高く自転車が小さすぎる。
室内にキープしていたプジョーがずっと邪魔だったが、もったいなくて捨てられなかった。
価値の分かる自転車好きの誰かがもらってくれないかなぁ〜。
YAHOOオークションで売るにしてはサビだらけ過ぎる。

泣く泣くゴミ捨て場にプジョーを捨てた。

家に戻り、さらに捨てるものを探す。
6年前にもらった15年前に製造されたパイオニアのステレオ。
本体は壊れて捨てたが、スピーカーは取っておいた。
高さ60cmほどのどデカイ2つのスピーカー。
メチャメチャ邪魔で、納戸にしまってあったが、これまた捨てることに。

再びゴミ捨て場に行くと、プジョーをわきに避けて熱心に見ているオジサンを発見!
「それ、僕が捨てたんですよ。」
あんたかい。 こんなの捨てちゃうの?
「はい。 僕も拾って来たんですけど、乗らないんで、誰かにあげようかと思ってましたが、
 誰ももらってくれないんで捨てることにしました。」
これが捨ててあったのかい!?
「ひどいでしょ? こんないい自転車。 前のギヤが錆びて動きませんけど、修理すれば動きますよ。」
オレさぁ、昔、競輪やっててさ。 こんな自転車乗ってたんだ。 これ、もらってもいいかい?
「もちろんですよ! いい人にもらってもらえて僕も嬉しいです。
 ありがとうございます。」
もう、今日はこれで帰ろうかなぁ♪

粗大ゴミ置き場から拾ってきたものを、自転車に山ほど積んでいたオジサンはそう言って、
プジョーのタイヤをはずし、自分の乗ってる自転車にくくりつけ出した。

こんな自転車、持ってたら、おまわりさんに止められるかなぁ? 盗んできたろって。
 今、乗ってるこの自転車、10年前に新聞屋で捨てるやつもらってきて直して使ってるんだけど、
 これでもおまわりさんに止められたからなぁ。


身なりで人を判断することって多いよなぁ。
私も成田に帰国したとき、税関で毎回、「君はこっちね」って別の所に連れていかれて、
手荷物検査されたもんなぁ。
あのときは、いっつもメッチャ汚い格好してたっけなぁ〜。

お兄ちゃん、こんなの、いらないのない?
彼が指差したのはステレオラジカセ。
彼が拾ってきたのより程度の良いものを、これまた1年程前に拾ってきたが、場所を取って仕方ない。
「ありますよ♪」
家に戻り、SONYのCDラジカセを持ってゴミ捨て場に戻った。

こんないいのもらっていいのかい?
「いいですよ。 僕もこれ拾ったんで。 CDが壊れてますけど、後は使えますよ。」
大丈夫。 海外にもってく分だから。

あっそうか!
外国に持って行けば直して売れるもんな。
な〜るほど。
仕事なくなったら、これも一つ食ってく手段になるかも・・・・。
良い知恵を授けられた。
待てよ・・・・・、私ってこういう人達の仕事の妨害してるのか?

再び家に戻ろうとすると、トラックで来たオジサンが、さっき捨てたスピーカーを見ている。

「それは全く壊れてませんよ。」
うん、でもさ、これ、表につくカバーないでしょ。

スピーカーの表につける柔らかい素材でできたふたのことを言っているようだ。
もう、しょうがないなぁ〜。 我がままなんだから。
そのカバーはあるにはあるが、家具の後ろに置いてあり、手が届かないので今回は見送ろうと思った。
しゃーない。 なんとか取り出すか・・・・・。

数分かかってしまったが、なんとかスピーカーのカバーを持って家の外に出ると、
さっきのトラックのオジサンは既にいなかった。
なんだよ。 せっかく取りに戻ったのに。

カバーをスピーカーの横に置いて家に戻った。
その他、別のマウンテンバイク1台、マウンテンバイクの車輪1つにタイヤ3本を出し、
札幌時代に拾ったこれまた10年以上昔のものと思われるビデオデッキを出した。

妻が言った。
扇風機は出さないの?」(妻)

例の赤ちゃん用ゆりかごをゆする機械に使うモーターが欲しかったので、
おじいちゃん、おばあちゃんの家にあるような古〜い扇風機を夏に拾ってきたのだが、
洗濯機のモーターをYAHOOオークションでゲットしたので必要なくなった。
もともとバラすつもりだったので、カバーがなく、羽が剥き出しで回る。

「出さないよ。 使ってるもん。」
使ってるんや?」(妻)

今年の夏、私のゴミ溜めのような工房で元気に回っていた。

最後に出す決心をしたのが防寒着だ。
東京の「ポイント」というつり具屋で学生時代に買った、防寒アンド防水のジャンバーとズボンだ。
32才で初めて車を所有するまでの私の足は、雨でも自転車かバイクだった。
それで当時3000円ほど投資して買ったものだ。
その後、丈夫なレインコートの上下を買い、使わなくなった代物だが、
まだどこもいたんでおらず、ずっと捨てられずにいた。
東京から札幌に転勤になり、その後関西に転勤になったが、その間、一度も着たことがない。
絶対に着ないのが分かっているが、捨てられなかった。

「なぁ、これ捨ててもいいよね?」
何? その服。 私、初めて見たよ。」(妻)

そうだ。
さっきの競輪のおじさんにあげればいいんだ。
これから寒いもんなぁ。

ゴミ捨て場に行くと、まだおじさんはプジョーをくくりつけるのに奮闘していた。
「おじさん、これもらってくれませんか?」
えっ? こんなのもらっていいの? 新品じゃない?
「いいですよ。 全く着ないんで。 これからの時期、使えません?」
いやぁ、助かるわ。 (今着てる)このジャンバーもここで拾ったんだけど、擦り切れてきててさ。
 欲しかったんだ 『新しいの』。 ありがとう。

「そのジャンバー、拾ったんですか? うわぁ、いいなぁ。 僕が欲しかったなぁ。」

なかなか格好良いデニムの綿入り防寒用ジャンバーを彼は着ていた。

オレも昔わさ競輪やってて普通の生活してたんだけど、嫁さんが死んじゃってさ、
 その後無理な生活して、こんなになっちゃったんだ。 嫁さん大切にしろよ。

「はい。」
ありがとな。

笑顔でおじさんと分かれた。
秋晴れの真っ青な空と同じくらい気持ちの良い出会い?立ち話だった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「欲しかったんだ 『新しいの』。」
この 『新しい』 という表現、私もよく使うが妻に笑われる。

妻の乗っている自転車を眺めながら、しげしげと私は言うことがある。
「その自転車も随分ボロボロになってきたなぁ。
 もうちょっと待ってな。 『新しい』 の、拾ってきてあげるからな。」
お願いやから買ってよ!