2004.11.01

長いことかかりましたが、やっと最後の、本当に最後の機長認定審査が終わりました。
結果は・・・・・、



合格〜♪



(●⌒∇⌒●) ♪



\(^O^)/ \(^^\)(/^^)/



♪v( ̄(││) ̄)v♪



ヾ(≧∇≦ )ブハハハ!



(..)(^^)(^。^)(*^o^)(^O^)ウレシーーー!!



イヤ〜ン、マジッすかぁ〜??
ほんとに、ほんとにいいんですかぁ? 僕なんかを4本線に仕立て上げて。
『?キャプテン?』
『?機長?』
もうっ! 照れるじゃないですか!?!?
『なんちゃってキャプテン』 ってことにしといてください。

5月の初めに始まり11月の頭に終わったってことは、6か月も続いたわけです。
もうっ!! 冗談じゃないぞぉーーーーーっ!!
でも、終わりよければ全て良し、です。

沢山の方々からご声援をいただき、本当にありがとうございました。
まだまだ半人前以下の未熟者ですが、
一刻も早く一人前になれるように努力していくつもりですので、
これからもよろしくお願いします。



沢山の方々から「合格おめでとうメール」をもらいました♪
みなさん、どうもありがとうございました!

ほとんど更新していなかったので、今まで見ていてくださった方はみなさん、
愛想尽かして最近は更新をチェックしていない、と思っていたのに、
こんなにも早くResponseがあって、本当に驚きました。
それほどまでに日記を楽しみにしてくださってる方々がいらっしゃったとは。
これからもがんばって更新し続けないと・・・・・。
ハイッ! がんばりますっ!



2004.11.05

訓練はたいてい二人一組のペアで行う。
私の相方(K)が、昨日、機長昇格最後の審査を受けた。(「K」は「こうちゃ」ではありません。)
A320のライセンスを取った7年間も同じKがペアだった。
朝から私も不安で、Kが審査を終えるはずの時間帯まで気がきでならなかった。

夕方になった。
もう、終わってるはずの時間帯だ。
しか〜し、待てど暮らせど 「合格」 の電話がかかってこなーいっ!
あのヤロー、何やってんだよっ!
恐る恐る電話してみた。
「あっ、ごめん、さっき終わって。
 合格だった、けど。 えっと、これからなおに会いに行くんで、
 チェックインしなきゃいけないから、また電話するわ。」
(K)
「何、言ってんだよ。」
ヤツは今、福岡にいる。
「だから、これから飛行機に乗って大阪行くんだけど、
 もし、なお、予定、今晩入ってなかったら、飲もうぜ。」
(K)
「はぁ〜? ・・・・・・・。 な゛に゛ぃ゛〜? ほんとに来るの?」
「うん、奥さん、ご飯作ってない?」(K)
「あぁ、今日はちょうど、たまたま昨日の残りものだから、大丈夫だけど。 ほんとに来るの?」

福岡からの大阪到着予定時刻は20:30。
あいつ、ほんきで来るのかな?
飲むなら・・・・・、空港までチャリで行って、VOLKSでメシ食えばいいか?

空港下のトンネル経由で20分かけてチャリを走らせ、VOLKSの前に駐輪し、
ターミナルまで走り、彼を待った。
なんか、恋人を迎えに来たみたいではないか?
きもい・・・・・・・。

せっかくだからHUGしようか?とも思ったが、
日本人同士でするとマジきもいし、Kによけられたら寒い。
で、握手した。

久しぶりに飲むビールが腹にしみたが、いい酒だった。



2004.11.07

Kから電話があった。
どうやら4日の日は実家で、お父さんと朝5時まで飲んでいたらしい。(つまり5日の朝)
さらに、Kは嬉しすぎて、
一生で一度しか味わえないその幸せを寝てしまってはもったいないから、という理由で、
2、3日徹夜して喜びに浸ったらしい。
そうか、そんなに嬉しかったのか・・・・・。

彼の気持ちが私にも伝わり、その瞬間、やっと私もとても幸せに感じることができた。

審査に合格したその時、
私は、正直、嬉しい、という感情はほとんどなかったように思う。
やっと終わった、という、安堵感が強過ぎたのだろうか。

Kがそんなにも嬉しかったことを知り、I was very happy for him. だったが、
同時に、自分自身がそこまで嬉しく感じることができなかったことが、残念であり、少し悲しかった。



2004.11.08

今日はキャプテンになって初めてのフライトだった。
505/506便で伊丹−宮崎を往復した。
出発前に制帽の受領式と花束の贈呈を受け、ひたすら恥ずかしかった。
天候は極めて良好で、First Flightにはもうしぶんなかった。
キャプテンは色々な書類にサインするが、それらの書類に自分がしていいものなのか、
とっても違和感があった。

これって、自分がサインするわけ? するんだよな? 大丈夫だよな?
自分以外には副操縦士しかいないから、きっと自分がするんだよな?
いいのかな? いいはずだな。 するぞ、するぞ、するぞ。 いや、ちょっと待て。
「ねぇ、ねぇ、これってさ、サイン、していいんだよね?」
そうですよ。 他に誰がするんですか?」(副操縦士)
そんな場面が何度かあった。

一生に一度のFirst Flightなので、妻、シンちゃん、義父&母が往復乗ってくれた。
私の実家の両親にも電話した。
すると、
おめでとうっ! う〜ん・・・・・、さらい年ぐらいに乗せてもらおうかなぁ〜。」(母)
「なんで?」
だって、その方が安全でしょ?」(母)
コラァァーーーーーッ! おぬし、ナメとんのかぁ〜?!
今でも十分に安全じゃぁぁぁああああーーーーっ! って、ほんと?
「親父は?」
おめでとう! で、こんど、パソコン、新しくしたいんだけど、そっちで買って、教えてよ。
 大阪まで行くから。 新幹線で。
」(父)
飛行機じゃないんかいっ!?
じつ〜に、マイペースな両親なのだった・・・・・。 ( T ◇ T )

機内アナウンスのときに 「機長です」 と言え、と妻からリクエストがあった。
そして本番。
今までどおりのアナウンスの最初の方に、「当便、機長です。」
と付け加えるだけのはずだった。
しかし、習慣とは恐ろしいもので、危うくそれすらも忘れてしまうところ、
ハッと気がつき、一瞬の間を置いて、「当便、機長です。」 と言った。
すると、次に何を言うのか分からなくなってしまったではないかぁぁああああーーーっ!!

マズッ!

焦れば焦るほど、何がなんだか分からなくなる。
何も考えず、とりあえず思いつくままに口走ってしまったので、きっと内容はメチャメチャだったろう。
恥ずかしいことをしてしまった。

宮崎はVisual 09だった。
普通に北側のDownwindに入り、通常のパターンを飛んだつもりだったが、
帰宅後、妻に言われた。
「なんか怖かったわぁ。
 滑走路に入る前の旋回角度が急やったような気がするけど、あれであってるの?」
(妻)
普通だよっ! 普通!!
そんなこと言ってたら、Minimum Circlingするときどーすんだよっ!!

妻はずっと言っていた。
私がキャプテンになったら、出社の度に毎回、
シンちゃんを初めて幼稚園に送り出すときのような気分になる、と。
毎回かい!? 最初だけにしといてよっ!
そんなに信用されてないわけっ?!
いちおう、ちゃんと仕事してるんや・・・。 これで安心して仕事に送り出せるわ。」(妻)
ファーストフライトに同乗して少しは安心できたようだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

行きの便で妻は窓際に座った。
離陸してすぐシンちゃんは寝てくれた。
しかし、妻はトイレに行きたくなった。
あっ、夫がアナウンス入れてる。
でもトイレ行きたくて、耳に入らない。
何てしゃべってるんだろう?
宮崎に着くまでもつだろうか・・・・。
我慢できない。
ずっと辛い思いをするよりは早めにトイレに行っておこう。
隣を見ると、ビジネスマン、二人とも寝ていた。 ギョエ〜ン。 ( T △ T )
丁重にお詫びして、二人とも起こしてトイレに行った。
帰ってきてから、ビジネスマンは二人とも寝なかった。
シンちゃんも寝なかった。
( TT △ TT )
シンちゃんは客室乗務員(CA)にもらった飛行機で遊んでくれ、
いつものように暴れなかったのは幸いだった。
シンちゃん、飛行機を時々落とし、その度にビジネスマンが拾ってくれた。 ( T △ T )
宮崎の飛行場が見えた。
滑走路がありえない位置に見える。
夫はどんな飛び方をしているんだろう?
大丈夫だろうか? 怖い・・・・。
行きの便が遅れて到着したので、次の折り返しまで時間がなかった。
チェックインもしていなかったので、一回外へ出て、カウンターでチェックインして、
大急ぎでX線を通り、待合室に入ったらもう搭乗が始まっていた。
楽しみにしていたのに弁当を買う暇もなかった。
行きはジージ・バーバと離れた席だったが、帰りはみんなで一緒に座れた。
今度はバーバもシンちゃんの面倒をみてくれたので、ちょっとだけフライトを楽しむことができた。
あ〜、お腹空いた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

これが帰宅後に聞いた妻のストーリー。
どうやら、大変だったらしい。

1日の日に審査に合格した日は、ただ、ホッ、としただけだったが、
でも、今日、飛んでみて、やっぱ、キャプテンになれて良かったぁ〜、と思えたのだった。



2004.11.13

審査の数日前にインフルエンザの注射を打った。
普段なら、体は丈夫だし、インフルエンザなんかかかるわけない、と強気で注射を打とうとも思わない。
しかし、今回は一生で一番大事な審査。
風邪やインフルエンザで休むのはイヤだったので、念には念をいれて注射を打った。
ところが、しなれないことをしたせいか、注射をした次の日から体調がおかしい。
なんとなく具合が悪い。
完璧な風邪、というわけでもないが、体に違和感があった。

その状態のまま審査を受け、さらにFirst Flightを終え、ちょっとして熱が出た。
そんなわけで、次のフライトとその次のフライトは休ませてもらった。
う〜ん、残念・・・・・。

しかーし、復活♪
12日、13日と泊りで仕事に行った。

昨日、今日と、First Flightのときより、さらに気分が良かったぞぉ〜♪
やっと実感がわいてきたのかもしれない。

でも、困ったなぁ・・・・・。
あんまし自分の失敗談って、書けないよなぁ〜。
しかも、面白おかしく書きまくるのはイカンよなぁ〜。
だからって、他人の失敗談は書くべきじゃないし・・・・・。
う〜ん、困った。


11日の夜、あまり眠れず、今日は05:20起きだった。
しっかり寝てやろう(10時間)、と、昨晩は5時から逆算して19:00に寝た。
すると・・・・、22:00に起きてしむぁとぁぁぁぁああああーーーーーーっ!!!!
えらいこっちゃ! はよー、寝な。
そう思えば思うほど、寝れない。
結局、寝たのは02:00過ぎ。
22:00〜02:00まで、何をしていたっていうと・・・・・、
TVをつけてチャンネルを変えていて、見つけたパチンコ&パチスロの番組。
誰かと誰かが対決している。
パチンコなんてしたこともないし、興味もないが、好きな乗員は何人もいる。
興味があったので、パチンコなるものが、どう進化をとげているのか見てしまった・・・・・。

F1やってれば必ず見る。
グルグル回ってるのを見ると、眠くなるんだなぁ〜。



2004.11.17

フライトが一つ終わって、清掃さん達が機内に入ってくるまでに少しだけ時間があった。
私はキョロキョロしながら客室内をウロウロしていた。
何してるんですか?」(CA)
「あっ、いえ・・・・。 マンガ落ちてないかな、って探してたんです。 すみません。」
それなら拾っておきますよ♪」(CA)
「いいですよ。 悪いから。」

今日は水曜日。
「少年マガジン」 を探していたのだが、何も考えず 「マンガ」 と言ってしまい、後で後悔することとなる。

事務所へ行ってから、再び機内に戻った。
コックピットに入ると私の席の後ろに2冊の雑誌が置いてあった。
「あっ、すみません。 わざわざ。」
いいえぇ〜♪」(CA)

表紙を見ると、一冊はゴルフ雑誌。
私はゴルフをしないのでこれは読まない。
もう一冊は・・・・・・、エロ漫画じゃんっ!?!?!?
CAさん、知ってて拾ったのかなぁ〜?
どっちも読まないけど、でも、いらない、って捨てたら好意を無駄にするみたいでヒドイよなぁ〜。
弱った。
どうしよう・・・・。
こんなの読みませんよ、ってエロ漫画だけでもCAさんに見えるように、聞こえるように捨てた方がいいかなぁ〜。
でも失礼だよな・・・・・。
あ〜あ、ちゃんと 「マガジン」 って言っておけば良かったなぁ〜。
困った・・・・・・・。
えぇ〜い、しょーがない!
二冊とももらっておいて、後で処分しよう。
変態エロじじい、と思われてもいっか。
今日の勤務が終われば、しばらく会わないだろうし、
エロじじいのうわさがたっても、うわさなんて時間とともに忘れられる?し。
好意を無にする方が、きっと失礼だ。

フライトが終わった。
「お疲れ様〜。 えっ?! CAさん達も長崎まで移動するんですか?」
一緒じゃん!
かーっ! どーしよー?
まっ、しゃーない。
恥はかき捨て。
今晩忘れよう。



2004.11.18

06:50にフロントへ降りると・・・・・、
ギョエ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛エ゛エ゛エ゛ーーーーッ!!!!
昨日の客室乗務員(CA)さんどぅぁぁぁあああぁぁぁああああーーーーーーっ!?!?!?!?
冷静に、冷静に・・・・・・・。

「あっ、おはようございます♪ えっと・・・・・・、今日もご一緒ですか?」
ええ、でも5つじゃないですよね?」(CA)
「はい、4つですけど・・・・。 5つ飛ぶって、そんなに飛ぶんですか?」

この会話で、昨日のエロ漫画の件を忘れてしまった私。
不都合なことは忘れる、便利な脳だ。

朝、07:00に長崎のディスパッチにShow Up。
天気図を見るかぎり、かなり気流は悪そうだった。
ベルトサインが消せるかどうか?とても悩ましい状況だった。
CA さん達にブリーフィングした。
「今日は揺れます。」
そして・・・・・・、やっぱり揺れた。

勤務開始 07:00
NH162 長崎→伊丹 08:00−09:05
NH183 伊丹→大分 10:05−11:05
NH459 大分→那覇 11:40−13:25
NH460 那覇→大分 13:55−15:25  私達はNH460で終わりで大分ステイ。
NH188 大分→伊丹 17:05−18:00
CA さん達はNH188までで、その後関空方面までバス移動。
きっと自宅に着くのは20:00頃だろう。
いったい何時間勤務しているのか?

立っているのがやっと、という程の揺れだったが、サービスしたいのでベルトサインを消して欲しい、
と CA さんからリクエストがあった。
倒れないように、飲み物をこぼさないように、ふんばって立ち続けるのは大変なことだ。
それを5便もするとなると、疲れるのは目に見えている。
それでも笑顔でサービスし続けるというのか?

できる限り揺れないところを選びつつ、揺れそうならスピードを落とし、
落としすぎると後ろからくる飛行機に迷惑がかかるので、揺れが少しでも収まれば加速した。

満席で全員に飲み物を配り終わるのには30分〜40分かかる。
ベルトサインが消せるのは15分。
間に合わないだろうな・・・・・。
引っ張って、引っ張って18分経ってベルトサインをつけようとしたそのとき、インターフォンで呼ばれた。
今、終わりました!」(CA)
「OK。 ありがとう! じゃあ、サイン入れるよ。 サッと片付けて座ってね。」

長崎から伊丹に戻り、ディスパッチに電話した。
「どこか良さそうな高度はないですか?」
16,000〜23,000ft は絶対ダメで、あとはどこも揺れてます。」(ディスパッチャー)

当然、大分行きも同じような状況だった。
が、CA さんはサービスをやり終えてくれた。
ただ、サービス内容を少しだけ変更していたようだった。
飲み物のサービスは冷たいものだけで、温かいものは控える、との CA さんのアナウンスが聞こえた。
熱い飲み物を手渡すときに、お客様の手にこぼして焼けどさせては一大事だからだ。
ベテランの CA さん達が熱い飲み物は出せない、と判断したなら、私が責任をかぶります。
「私の指示で熱い飲み物のサービスは控えさせております。 どうぞご了承ください。」
私は、そうアナウンスを入れた。

大分に着いた。
ここから那覇を含めて3つ飛ぶのは、気が遠くなるほどしんどいはず。
よっしゃ! 差し入れだ。
那覇ではほとんど時間がないから買い物をしている暇はない。
大分のディスパッチャーに空港で買えるケーキ類について聞いてみると、プリンがあるらしい。
副操縦士に2千円渡して買ってきてもらった。
CA さん達、喜んでくれた。
このプリンで、あと3つ頑張れます♪」(CA)

那覇行きは 39,000ft 以外はダメ、と聞いていた。
みんなが FL390 をリクエストすればもらえないことがある。
案の定、ある飛行機は FL390 をリクエストして、FL350 で行け、と管制官に指示されていた。
うちは・・・・・・、ラッキィ〜♪
FL390 もらえたゼイ!

とはいえ、大分を出て種子島を過ぎてしばらくは揺れた。
「○時○分まで揺れるから、それまではベルトサイン消すけど準備だけにして、
 その後はスムーズになるから、そこから本格的に開始して。
 □時□分から降下するけど、しばらくして揺れるから、△時△分にサイン入れるんで、よろしく。」
インターフォンで伝えると、CA 同士がインターフォンでどういう順番で仕事をしていくか手順を練る。
その会話が終わったところでベルトサインを OFF にした。

幸い那覇へ向けての降下開始までは比較的気流は良好だった。
それもつかの間、FL270 を過ぎると再びガッタガタ。

向かい風が強すぎ、巡航速度が遅くなってしまったのと、
那覇空港が混んでいて遠回りさせられたのとで、到着は遅れた。

また、アプローチがあまりにも揺れたおかげで、もどしてしまったお客さんがいたようだった。
ごめんなさい・・・・。

ディスパッチへ走り、大分行きの FL370 の情報を聞いた。
さっきまでは FL350 より上は良かったのですが、除々に悪化しているようで、
 ひょっとすると FL370 も揺れるかもしれません。
」(ディスパッチャイー)
「もし FL370 もらえなくて、FL330 になったら?」
絶対、揺れます。」(ディスパッチャイー)
「その下は?」
誰も飛んでません。」(ディスパッチャイー)

なんじゃそれ?
必ず揺れるわけ?
どーしよー・・・・・・。

運良く FL370 をもらえた、が、揺れた。
くっそーっ!
ダメじゃん!?
CA さんと相談した。
ベルトサインは消して欲しい、とのこと。
ここでお客さんの情報。
気分の悪いお客さんが一名。
青ざめてる。
もどしてしまたっようだ。
介護の必要あり。
後方が担当するので、前方の CA がドリンクサービスをバックアップする。

追い風だから巡航は短い。
しかも所々、かなり揺れる。
大分への降下の際、FL360 から下は揺れる、との情報だった。
FL370 のこの状態より揺れるんかい?!
ベルトサイン、つけっぱなしで行きたいなぁ。
どうすっかな・・・・・。
いや、長崎 → 大阪 → 大分 をやってくれたんだから、彼女達の言葉を信じよう。
ベルトサインを消した。
途中、気分を悪くしたお客さんの latest の情報が入った。
グッタリ横になってるけど、意識はある。
話しの受け答えもできる。
昨晩、お酒を飲んでほとんど寝ず、寝不足らしい。
そりゃ〜、仕方ないか・・・・。
でも、揺れてなきゃ気分悪くならなかったかもしれないし。
ここは丁重に丁重にお詫びの挨拶を入れよう。

まだサービス終わらないかなぁ・・・・・。
もう待てない。
「サイン入れるよ。」
今、終わりました。 先ほどのお客様、介抱していて、まだ2名座ってません。」(CA)
「イヤ、こっからは揺れるから戻ってもらってくれる?」
あっ、今、帰ってきました。 間もなく着席します。」(CA)
「よっしゃ。 サンキュー。」

SOBOH を 9000ft で通過しなければならない。
追い風 100kt だぜ? ちょっとキツイな。
スピードブレーキを引っ張って、一気に降下。
降下率、降下角度と SOBOH までの距離から間に合うかどうかを、1000ft 毎に頭で計算。
よっしゃ、間に合う。
SOBOH の 0.5 マイル手前を 9000ft でかろうじて通過。

大分へは8分遅れで到着した。

私達はここで仕事終了。
「今日はありがとね。 僕達は申し訳ないけど、ここで終わりなんで、お先に失礼します。」
今日は揺れましたけど、揺れを感じないぐらい、とっても仕事がしやすかったです。
 こちらこそどうもありがとうございました♪
」(CA)

とても大変な一日だったが、彼女達が頑張ってくれたおかげで最高の一日だった。
キャンプ゛になって本当に良かった。
CA さんの言葉を聞いて、心の底からそう思った。



2004.11.29

First Flight が終わってから、熱は下がり、風邪も治ったようだったが、
せきだけ残ってしまった。
風邪の時はのどが痛かったが、その痛い部分が下の方に下がっていき、
気管支が変な感じになって、肺から出てくるような深〜いせきだ。
11月の最初に航空身体検査を受けて良かった。
今、受けたら、きっと肺に影が出ていただろう。

一昨日から妻とシンちゃんが風邪ひきプラス熱を出している。
私が移したのか、外からもらってきたのか?
私が移したのなら非常に申し訳ないが、さほど問題はない。
妻は私以上に丈夫で、風邪をひくこともほとんどないし、
熱を出して寝込んだこともない。
そんな妻がもらう風邪なら、きっとMAX強烈で、私に移ること間違いなしだ。

昨日は妻が日中寝込んだ。
しかーし、やはり妻は最強。
5時間ほど寝ると、すっきりしたようだった。
その間、私はシンちゃんにつきっきり。
当然、風邪は移らないはずはない。

寝る少し前、ほんのわずかだが、のどの鼻がつながっている部分が痛くなっていた。
普通のうがい薬を使ってうがいをして、22:00に寝た。
深夜01:30。
目が覚めた。
のどの痛みがかなり悪化している。
これはマズイっ!
私の実家ではにんにくを摩り下ろし、それを水に溶かしてうがい薬として使っている。
今回は普通のうがい薬は信頼することができないので、
深夜ににんにくを摩り下ろし、うがい開始。
しばらくして、体が震え出した。
うぇっ!
なんで?!?!
それから数分すると・・・・・・、全身が強烈に震える〜。( TT ◇ TT )
体温計を片手に布団に入った。
ガンガン体温が上がっていく。
マジかよっ!

明日(今日?)、私の代わりに稼動してもらうかもしれない乗員が泊まっているホテルに電話し、
メッセージを残した。
目覚ましを06:10にセットし、再び寝た。

06:00に勝手に目が覚めた。
非常に気分が悪く、頭がガンガンする。
熱もある。
会社に電話し、今日、飛べないことを伝えた。

結局、29、30日と仕事をOFFにしてもらった。
他にも風邪で倒れている人が2名いたようで、乗員をやりくりするのに四苦八苦したようだった。

パイロットを8年間やっていて、熱で飛べなかったのはたった一回。
YS−11で札幌にいたとき、札幌−中標津を一往復だけ代わってもらったことがある。
風邪はひいても熱は出さない。
そんな自信が一気に崩れ去った。
なんで3週間に2回も熱、出すんだよっ!
人に迷惑をかけるのは大嫌いだ。
また、体、鍛えなおさないと・・・・。



2004.11.30

今日は、本当なら羽田に行けるはずだった。
珍しくタイプチェンジで、B767の路線をA320が代わりに飛ぶことになっていた。

NH192 大分 → 羽田
NH643 羽田 → 熊本
NH526 熊本 → 伊丹  を乗務する予定だった。

羽田の新しいターミナル、見たかったなぁ〜。
それに、久しぶりの羽田だから、28日は羽田空港の勉強4時間位したんだけどなぁ〜。