英語の勉強の仕方
私は高校時代、2年間アメリカへ留学していた。 高校2年生の夏に渡米した。
それまで海外旅行へ行ったことはなかった。
1985のことだが、当時日本航空の成田−ロサンゼルスの片道普通運賃が、
42万円!!だったのを覚えている。
もちろん最初から英語など話せるわけがない。
その学校には私の他、3人の日本人がいたが、全員英語が話せた。
全寮制で、家族もいない。 寂しくてその3人の部屋によく行った。
ある日、私の英語の先生が3人の日本人生徒に、
私が英語を話せるようになるまで私と日本語で話さないでくれ、と言ったらしい。
その後、彼らの部屋へ行っても、英語で、"Sorry
Naoki. I'm not allowed to speak to you in Japanese."
「ごめん、なおき。 日本語であなたと話をしてはいけないことになってるんだ。」 と言われた。
彼らは私の英語の先生が言ったことを、忠実に守ったのだった。
当時はとても悲しく、つらかったです。 今は感謝していますが・・・・
私がしょげていると、そのうちの一人が一度だけ私に日本語で話し掛けてきた。
「実際に人と話してる時間より、頭の中で考え事してる時間の方が長いんだよね。」
私たちは日常、24時間体制で友人と話をしてるわけではなく、
ほとんどの時間考え事してる、つまり独り言をだまって頭の中でしているのではないか?
だとすれば、外国人と話をしている時間だけが英語が上達する時間ではないはず。
それから私は一日を振り返り、朝起きてから夜寝るまでの間、日本語で何を考えているのかを考えた。
「くそー、眠いなァ。 もう起きる時間かよ。」 「今日は何時に家を出るんだっけ? 8時か・・・」
「とりあえずお湯を沸かしてコーヒーでも飲んどくか。」
「お湯が沸くまでの間に、歯を磨いて、ヒゲ剃って、顔を洗って・・・・」
これを全部英語訳していくのである。
"Oh, boy. Am I sleepy! Do I have to get up now?
What time do I have to leave for school? 8 o'clock....
Let's see.... Why don't I boil some water....
I need a cup of coffee.
In the mean time, I'll brush my teeth, shave, wash my face, etc."
どれも簡単な英作文だ。 少々文法が間違っていてもかまわない。
これを毎日朝から晩まで繰り返していると、
ご飯を食べる、シャワーを浴びる、トイレへ行く、学校に行きたくない、
会社休んじゃおうかな、また飲みすぎちゃった、少し瘠せた方がいいかな、等々
いつも使う文章、頻繁に使うフレーズは英文そのものを覚えてしまい、
英作文をいちいちしなくても考えずに反射的に口から出てくるようになるのである。
単語1つ1つを覚えるのと同じように、文章を1つずつ覚えていくのだ。
覚えた文章の文法を、誰かに、例えば外国人に直してもらえばよいのである。
次に、覚えた文章を何通りかの言い方に変えてみる練習をする。
Let's take a shower. I'm going to take a shower. I'll take a shower. I need to take a shower.
文章に単語をくっつけていく。
Let me take a shower first. I'll take a shower later. I need to take a shower to wake myself up.
外国人と話す機会があったら、何を話せばよいか困ってしまうものである。
大体が初対面で話をすることになるため、共通の話題がない。
それでは、好かれるタイプの日本人ってどんな種類の人がいるだろうか?
ベラベラ自分のことばかり話す人より、自分の話を熱心に聞いてくれる人のほうが好まれるように私は思う。
外国人は自分から話をする人が多いし、聞き上手な人も好まれるようだ。
だったら聞き役に徹すればいい。 幸い日本人は英語を話せなくても聞ける人は多い。
あとは、相槌の練習をすればよいのだ。
Oh! Wow! Boy! Gosh!! Gee!! And? Amazing! That's great! Terrific! Fantastic!
That's wonderful! And then? What did you do then? Really? No way!! Sorry about that.
That's terrible! That's too bad! Tha's sad! Then what? Are you sure? Is that true?
You must be kidding! No kidding. You've got to be joking. That can't be right. etc.
これらの言葉を、とっかえひっかえ相手の話の切れ目に差し込んでいくのだ。
相手の言ってることがよく分からなくても、いっぱい話してもらうことで、
少しずつヒヤリングが上達する。 相手がしゃべってくれなければ、ヒヤリングは上達しないのである。
もちろん相手の言ってることが分からないときは相槌は入れられない。
そんなときは;
Pardon? I beg your pardon? Excuse me? Would you say that again please?
What did you just say? I didn't quite understand what you just said. etc.
これもまた、とっかえひっかえ使えばよのである。
日常生活で頻繁に考えること、することを自分なりに英訳し、暗記しているほど、
外国人が同じシチュエーションにおいて使った言葉を聞いて、
ああ、こういう表現もあるんだ!と簡単に頭に入ってくるのである。
私の例で恐縮だが、例えば、「もう寝よう」を英訳して「Let's go to bed.」 「Let's go to sleep.」 と記憶した後、
「Let's hit the sack.」 という表現を聞くいたとき、
まるで寝袋に入って寝る、みたいな表現で面白いな! と驚き、すぐ覚えてしまった記憶がある。
こんな感じで、英語が話せなかったために、恥ずかしがっていて
外国人の友達がほとんどいなかった私は、1人で英語を勉強した。
そして2ヶ月ほどして、初めて英語で夢を見、3ヶ月後にはかなり英会話ができるようになっていた。
是非、みなさんにも試してみて頂きたい。
R と L の発音の区別にお困りの方へ・・・・・・
R は日本語の「ラ行」の発音をすれば、R として伝わるような気がします。
大抵問題になるのは L の発音のようです。
私が中学生のころ、L は舌を上の歯の裏に押し付けるように、と習いました。
みなさんはどうでしょう?
イギリス人の友人に指摘されたのですが、L は 「th」 と同じように、
上の歯と下の歯に挟んで発音すればいいのだそうです。
慣れないと、舌を噛みそうになりますが、
この方法で L が通じるように、私はなりました。
私はおしゃべりだが、読み書きは苦手で、
文章読解力と作文、論文を書く能力はひとよりかなり劣る、と自分なりに分析している。
英語もまったく同じで、すぐに話せるようにはなったが、読み書きは何年経っても苦手だった。
1年後輩に、聞き上手で、日本語で話すとき、ゆっくりめで、読み書きが得意な友人がいた。
彼女はアメリカへ行って、話せるようになるまでに時間がかかったが、
作文の能力はすごかった、と彼女の英語の先生に聞いた。
彼女は私のように話せるようになれない、と私に悩みを打ち明けたが、
英語の先生に、私は彼女より1年先にアメリカに来たのに、
彼女より英作文が下手だと言われており、非常に落ち込んだ覚えがある。
脳の構造は言語が変わっても変わらないのだろう。
日本語で苦手なことは英語でも苦手、日本語で得意なことは英語でも得意。
これは仕方の無いことかもしれない。